今月の飲食料品の値上げは、2311品目でした。
前年の同じ月と比べて、8割ほど多い数字です。
1回あたりの値上げ率は、平均で15%。
理由も出ています。
2026年の値上げでもっとも多い要因は原材料高で、値上げ品目の92.5%を占めます。
続いて物流費が71.9%、包装・資材費が69.8%。
中東情勢を背景にした原油価格の高騰も重なっている、とありました。
こうした記事は毎月出ます。
読めば、上がっていることは分かります。
ただ、そこで止まります。
「で、うちはいくら上がったの?」
この問いに答えられる店は、そう多くありません。
2311品目のうち、自分の店が仕入れているのは何品目なのか。
その中で、実際に納品価格が変わったのはどれなのか。
分からないまま、月末の請求書を見て「思ったより高いな」と感じる。
そこで終わってしまいます。
仕入れの記録がないわけではありません。
納品書は束になって残っています。
でも、それは比較できる形ではありません。
去年の8月にこの商品をいくらで買ったか。
半年前と比べてどう動いたか。
調べようと思えばできますが、
営業の合間にやる作業ではありません。
だから、やらないまま過ぎていきます。
「原材料高が92.5%」と言われても、
それだけでメニュー価格は決められません。
決められるのは、
・うちの主力商品が、この一年でどれだけ動いたか
・原価率が何ポイント上がったか
これが手元にある店です。
同じニュースを読んでも、
片方は「大変らしい」で終わり、
もう片方は「じゃあ来月からこうしよう」になります。
差は情報量ではなく、
自分の数字を持っているかどうかだと思います。
値上げは、しばらく続きそうです。
そのたびにニュースを追いかけるより、
自分の仕入れが見える状態を先に作っておくほうが、
結局は早いのではないでしょうか。

飲食店として15年以上現場に立ち、その後は卸・流通の内側にも入りました。どちらの立場も見てきたからこそ気づいたことを、ここに書きとめています。