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全国から揚げ調査2026から考える、外食における鶏肉仕入れと価格の構造

ニチレイフーズが発表した「全国から揚げ調査2026」のデータを見て、あらためて日本の食卓における鶏肉の存在感の大きさを実感しました。

好きなおかずランキングでは「鶏のから揚げ」が65.5%の支持を集め、6回連続で第1位を獲得したそうです。2位の餃子(62.5%)や3位のハンバーグ(62.4%)を抑えての首位であり、人気の高さは依然として揺らぎません。

一方で、興味深いのは喫食ルートの変化です。直近1か月以内の利用を見ると「惣菜」が41.0%で最も高く、「手作り」は33.5%、「冷凍食品」は26.3%となっていました。2019年の調査と比較すると、手作りが2.5ポイント低下したのに対し、惣菜が4.1ポイント増、冷凍食品が3.8ポイント増と、家庭内での調達方法が確実に変化しています。


惣菜と冷凍食品の台頭は、外食にとって脅威なのか

家庭で揚げ物をするハードルが上がり、惣菜や冷凍食品へシフトしている流れは、外食店にとっても無視できない変化だと感じています。

調査における1食あたりの平均価格を見ると、外食店が513.0円であるのに対し、冷凍食品は374.6円、コンビニは325.3円となっています。単に価格だけを比較すれば、外食のハードルが高まっているように見えるかもしれません。

しかし、これは「家庭で揚げたくない」というニーズが、より手軽な選択肢へと広がっている兆しでもあるのではないでしょうか。手作りの代替として惣菜や冷凍食品が選ばれる中で、外食店が提供する揚げたての食感や専門店の味が、かえって際立つ機会にもなり得ると感じています。


価格差だけでは見えない、現場の仕入れと調理の手間

飲食店にとって、鶏肉メニューは定番として外せない存在であり、原価管理の面でも重要な位置を占めています。

しかし、生の鶏肉を仕入れて店舗でカットし、仕込みを行って揚げるという工程には、目に見えにくい人件費やロスリスクが潜んでいます。仕入れ価格そのものを抑えることだけに気を取られると、現場の仕込み作業の負荷が増えてしまい、結果として店舗全体のコストが上がってしまうことも少なくありません。

また、卸の現場においても、部位ごとの細かな発注や数量の変動に対応する作業は決して軽いものではありません。飲食店と卸の双方が、仕込みの手間や配送の効率をどう捉えるかによって、1食あたりの実質的な原価は大きく変わってくるのではないかと感じています。


鶏肉仕入れと外食原価のバランスをどう組み直すか

中食の品質が向上する中で、外食店が単に価格だけで勝負するのは容易ではありません。

だからこそ、鶏肉の仕入れ方やメニュー構成を見直し、店舗で「どこに手をかけるか」を整理することが求められているように思えます。たとえば、仕込みの一部を加工品や規格化された食材に頼ることで現場の負担を減らし、揚げ方や独自のタレでオリジナリティを出すといった工夫も考えられます。

月1回以上の喫食率ランキングで宮崎県(73.3%)、鹿児島県(72.0%)、大分県(71.0%)と九州勢が上位を独占しているように、地域ごとの食文化やこだわりを打ち出すことも一つの強みになります。仕入れと現場調理のバランスを組み直すことで、他にはない価値を生み出す余地はまだ十分に残されていると感じています。


変化のなかで現場が選ぶ一歩とは

家庭の食卓が「手作り」から「買う・温める」へと変化する中で、外食店が果たす役割も少しずつ形を変えているのかもしれません。

外食ならではのおいしさを届けるために、現場のオペレーションをどこまでシンプルにできるか。そして、卸業者とのコミュニケーションを通じて、無理のない最適な仕入れ体制をどう構築していくか。

構造としての課題を一つずつ整理していくことで、外食の鶏肉メニューはもっと強く回せるようになるのではないかと感じています。お客様に選ばれ続けるために、みなさんの現場では今、どのような試みをされているでしょうか。

#全国から揚げ調査2026#ニチレイフーズ#鶏肉仕入れ#外食原価#惣菜

出典

KURUマート 代表
KURUマート 代表
飲食店15年 → 卸・流通の現場へ

飲食店として15年以上現場に立ち、その後は卸・流通の内側にも入りました。どちらの立場も見てきたからこそ気づいたことを、ここに書きとめています。

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