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輸入小麦の政府売渡価格が2026年10月期から改定。現場が冷静に原価を見極める好機

輸入小麦の政府売渡価格改定が示す、現場の本当の課題

農林水産省は2026年9月9日、令和8年10月期(2026年10月以降)の輸入小麦の政府売渡価格を決定しました。
主要5銘柄の加重平均(税込価格)は1トン当たり70,020円となり、前期から12.0%(7,500円)の引き上げとなります。

「農林水産省 小麦 12%引き上げ」というニュースを見て、頭を抱えた飲食店や卸の現場も少なくないと感じています。
中東の情勢や歴史的な円安、海上輸送費の高騰など、個人の努力ではどうにもならない要因が重なっています。
しかし、この数字をただ悲観的に受け止めるだけでいいのだろうか、とも思います。


原料比率の冷静な見極めと、価格転嫁の機会

農林水産省の試算によると、製品の小売価格に占める原料小麦代金の割合は、家庭用薄力粉で約20%、食パンで約7%です。
そして、外食のうどんや中華そばにおいては、わずか約1%にとどまるとされています。

12%の値上げと聞くと大きな打撃に思えますが、実は一杯のうどんにおける直接の影響はごくわずかです。
それにもかかわらず、現場がこれほど不安に包まれるのはなぜでしょうか。

それは、日々の仕入れ価格がブラックボックス化しており、何が、どこで、どれだけ上がっているのかを正確に把握できていないからではないでしょうか。
今回の改定は、単なるコスト増ではなく、自店の本当の原価を見直す良い機会になり得ると感じています。


「なんとなく」から、数字に基づいた経営へ

飲食店を15年以上運営してきた中で、私自身も仕入れコストの上昇に何度も直面してきました。
そのたびに、取引先の卸業者と交渉したり、メニューの価格を変更したりしてきました。

しかし、その判断の多くは「なんとなく、周りが上げているから」という感覚に基づいていた気がします。
どの食材が、全体の原価の何%を占めているのか。
それが明確に可視化されていれば、不必要な不安に駆られることなく、適正な価格転嫁ができるはずです。

実際に、最近ではただ値上げに耐えるのではなく、メニュー構成を最適化し、より価値のある形で提供しようとする店舗が増えているように感じます。
仕組みを整えることで、変動に強い体質をつくる一歩を踏み出せるのではないでしょうか。


卸と飲食店が、共に歩み寄るために

この課題は、飲食店だけの問題ではありません。
注文を受ける卸の現場でも、価格改定のたびに見積書の作成や、取引先への説明に追われています。

注文がLINEやFAX、電話でバラバラに届き、それを手入力で処理している古いシステムの中では、こうした急な価格変動に対応するだけで現場が疲弊してしまいます。
飲食店と卸、双方が「今、何がいくらなのか」を共有できる仕組みがあれば、お互いにとってよりフェアで、持続可能な関係が築けるのではないかと考えています。

過度な不安に流されず、冷静に構造を整理すること。
私たちが今日から現場でできる一歩は、まずはその「数字の可視化」から始まるのかもしれません。
みなさんの現場では、どのような一歩から始めますか。

#輸入小麦#政府売渡価格#2026年10月期#原価計算#価格転嫁

出典

KURUマート 代表
KURUマート 代表
飲食店15年 → 卸・流通の現場へ

飲食店として15年以上現場に立ち、その後は卸・流通の内側にも入りました。どちらの立場も見てきたからこそ気づいたことを、ここに書きとめています。

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